SGホールディングス(9143)は2025年5月、年初来安値を更新しました。ここではその背景と株価の推移について解説します。
年初来安値の主な理由
- 業績予想の下方修正と減益見通し
2025年3月期の連結業績予想で、営業利益を前回より30億円引き下げ870億円、純利益も40億円引き下げ560億円と下方修正しました。これにより、増益見通しから一転して減益見込みとなったことが投資家心理を冷やしました。 - デリバリー事業の伸び悩み
主力のデリバリー事業で、消費者マインドの低迷や大手EC事業者による自社配送網拡大など、競争環境の厳しさが続いています。取扱個数も予想を下回り、収益の下押し要因となりました。 - 物流市況の悪化と海外事業の不振
海上・航空貨物の取扱量減少や運賃下落が続き、ロジスティクス事業や海外子会社(特にスリランカのエクスポランカ社)でも減収減益が目立ちました。 - 追加コストの発生
従業員の給与水準維持のため、追加的な費用も発生し、利益を圧迫しています。
株価の動向
- 年初来安値と高値
2025年5月21日には1,393円まで下落し、年初来安値を更新しました。年初来高値は1,676.5円(3月7日)で、約17%下落しています。 - 直近の株価推移
3月の高値以降、決算発表や業績下方修正を受けて下落基調が続き、5月には1,400円を割り込む場面もありました。 - 市場の評価
理論株価や目標株価は1,500円台とされており、現状の株価はやや割安感も出ていますが、業績見通しの慎重さや競争環境の厳しさから、当面は上値が重い展開が予想されます。
今後の展望
SGホールディングスは低温物流分野への進出や、グローバル物流基盤の拡大など新たな成長戦略を進めています。しかし、国内外の物流需要や競争環境、コスト増加などのリスク要因も多く、株価回復にはこれらの課題克服が求められます。
SGホールディングスの株価は、業績下方修正やデリバリー事業の伸び悩み、物流市況の悪化など複数の要因が重なり年初来安値を更新しました。今後は新たな成長戦略の成果と、厳しい競争環境への対応力が注目されます。
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