2025年3月期決算のポイント
日本製鉄(5401)の2025年3月期決算は、鉄鋼需要の低迷や米国の関税政策など、厳しい事業環境の影響を大きく受けました。主な数値は以下の通りです。
項目 | 2025年3月期実績 | 前期比 |
---|---|---|
売上収益 | 8兆6,955億円 | -1.9% |
営業利益 | 5,479億円 | -29.6% |
経常利益 | 5,243億円 | -31.4% |
当期純利益 | 3,502億円 | -36.2% |
1-3月期純利益 | -118億円 | 前年同期比悪化 |
2025年1-3月期(第4四半期)は赤字転落となり、前年同期の黒字から大きく悪化しました。
2026年3月期見通しと配当
項目 | 2026年3月期予想 | 前期比 |
---|---|---|
当期純利益 | 2,000億円 | -42.9% |
年間配当 | 120円 | -40円(減配) |
今期も厳しい見通しとなっており、大幅な減益と減配が予想されています。
株価の動向
日付 | 終値 | 始値 | 高値 | 安値 | 出来高 | 時価総額 |
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2025/5/9 | 2,998円 | 3,020円 | 3,033円 | 2,998円 | 2,909,000株 | 3兆2,220億円 |
- 配当利回り:5.34%
- PER:約9.5倍
- PBR:0.6倍
2025年の年初来では3,150円でスタートし、3月に3,522円の高値を記録。その後4月には2,650円まで下落しましたが、5月時点ではやや戻しています。
今後の見通しと投資視点
- 鉄鋼需給の低迷や米国の関税政策など、外部環境の不透明感が強い状況です。
- 配当利回りは高い水準を維持していますが、減配や業績悪化が株価の重しとなっています。
- 自己資本比率は49.2%と高く、財務体質は安定していますが、ROEやROAは低下傾向です。
まとめ
日本製鉄の2025年3月期は減収減益・減配と厳しい決算となりました。株価も上値の重い展開が続いていますが、配当利回りの高さや財務体質の安定は評価材料です。今後は世界経済や鉄鋼需給の回復、米国の政策動向など外部環境の変化が業績・株価のカギとなるでしょう。
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