2025年3月期 決算サマリー
日本金銭機械は2025年3月期において大幅な増収増益を記録しました。新紙幣対応需要の高まりや、円安効果が業績を押し上げました。特に自動釣銭機や紙幣識別機など主力製品の販売が好調で、過去最高水準の利益となっています。
決算主要数値（単位：百万円）
| 項目 | 2025年3月期実績 | 前期比増減率 | 2024年3月期実績 |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 37,816 | +19.6% | 31,635 |
| 営業利益 | 4,910 | +73.0% | 2,839 |
| 経常利益 | 4,676 | +31.1% | 3,568 |
| 当期純利益 | 3,810 | +16.1% | 3,282 |
| 自己資本比率 | 64.9% | +1.2pt | 63.7% |
| ROE | 12.56% | +0.82pt | 11.74% |
2026年3月期 業績予想
2025年3月期の特需の反動で、次期は大幅な減収減益を会社側は見込んでいます。新紙幣需要の一巡や、国内外の投資サイクルの変化が主な要因です。
| 項目 | 2026年3月期予想 | 前期比増減率 |
|---|---|---|
| 売上高 | 31,000 | -18.0% |
| 営業利益 | 1,400 | -71.5% |
| 経常利益 | 1,000 | -78.6% |
| 当期純利益 | 3,200 | -16.0% |
| 1株配当金 | 40円 | -20.0% |
株価動向（2025年5月時点）
日本金銭機械の株価は、2024年末から2025年2月にかけて新紙幣特需期待で急騰し、年初来高値を更新しました。その後は材料出尽くし感や来期減益見通しから調整が入り、現在は1,000円前後で推移しています。
株価推移・指標
| 日付 | 株価（円） | 備考 |
|---|---|---|
| 2025/2/13 | 1,228 | 年初来高値 |
| 2025/4/7 | 796 | 年初来安値 |
| 2025/5/9 | 1,002 | 決算発表直後 |
| 指標 | 数値 | 備考 |
|---|---|---|
| PER（予想） | 8.4倍 | 割安水準 |
| PBR（実績） | 0.84倍 | |
| 配当利回り（予想） | 3.99% | 高配当 |
詳細解説
業績の背景
- 新紙幣需要
2024年から2025年にかけて、ATMや自動釣銭機、券売機などの新紙幣対応需要が急増。これにより主力製品の受注が大幅に伸び、売上・利益ともに過去最高水準となりました。 - 海外事業の拡大
アジアや北米での自動精算機や紙幣識別機の販売も堅調。特にカジノや商業施設向けの需要が業績を下支えしています。 - 為替の影響
円安が輸出採算を改善し、海外売上比率の高い同社にとって追い風となりました。
今後の注目点
- 業績の反動減
新紙幣特需が一巡する2026年3月期は、大幅な減益が予想されています。これは一時的な反動とみられ、再び安定成長路線に戻れるかがポイントです。 - 新規事業・成長戦略
キャッシュレス化の進展や、海外市場での新規顧客開拓、M&A戦略など、中長期的な成長シナリオが注目されます。 - 株主還元
配当性向は33.7%と安定しており、株主還元姿勢も評価されています。記念配当を含めた増配も実施されました。
まとめ
日本金銭機械は2025年3月期に新紙幣特需で大幅増収増益を達成し、株価も一時急騰しました。ただし、来期は反動減が避けられず、株価は調整局面にあります。今後は、特需後の成長戦略や海外展開、株主還元策が再評価されるタイミングが注目されます。中長期的には、キャッシュレス化や新市場開拓による再成長に期待がかかります。
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