2025年3月期決算が発表され、ニコンの業績と株価に注目が集まっています。最新の決算内容と株価の推移をまとめます。
2025年3月期決算の概要
- 売上収益:7,152億円(前期比0.3%減)
- 営業利益:24億円(前期比93.9%減)
- 最終利益:61億円(前期比81.2%減)
- 年間配当:1株あたり50円(前期と同じ)
大幅な減益となった主な要因は、半導体装置事業の不振や一時費用(固定資産減損損失、棚卸資産評価損、構造改革費用など)の計上によるものです。特に主力顧客の投資計画見直しや半導体市況の回復遅れが響きました。
セグメント別の業績
- 映像事業:売上2,953億円(前期比5.6%増)、営業利益413億円(同11.3%減)
- 精機事業:売上2,019億円(同7.9%減)、営業利益15億円(同89.8%減)
- ヘルスケア事業:売上1,164億円(同8.0%増)、営業利益67億円(同26.4%増)
- コンポーネント事業も堅調
映像事業は売上増を維持しましたが、精機事業(半導体装置)は販売減と一時費用の影響で大幅減益となりました。
2026年3月期見通し
- 最終利益:300億円(前期比4.9倍を計画)
- 営業利益:360億円(前期比15倍を計画)
- 売上収益:7,100億円(微減を予想)
前期に発生した一時費用の剥落や構造改革効果、遊休資産の売却などにより大幅な利益回復(V字回復)が見込まれています。
株価の動向
- 年初来高値:1,730円(2025年1月22日)
- 年初来安値:1,238円(2025年4月7日)
- 直近終値:1,390円(2025年5月7日)
2025年に入り株価は下落基調となりましたが、決算発表後は下げ止まりの兆しも見られます。今後は業績回復への期待感が株価にどう反映されるかが注目されます。
今後の注目ポイント
- 半導体装置事業の回復と新規顧客開拓
- 米国関税の影響
- 構造改革の進捗と利益率の改善
- 映像・ヘルスケア事業の成長持続
2025年3月期は大幅減益となりましたが、2026年3月期は一時費用の解消や構造改革効果で大幅な利益回復が期待されます。株価も業績回復への期待を背景に、今後の動向が注目されます。
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