過去最高益を更新
JR西日本が発表した2025年3月期の連結決算は、売上高が前期比4.5%増の1兆7,079億円、純利益が15.4%増の1,139億円と、いずれも過去最高を記録しました。インバウンド(訪日外国人旅行者)の鉄道利用が好調で、運輸収入も大きく伸びたことが要因です。特に訪日客の運輸収入は409億円と、これまでの実績を更新しています[2][9][15]。
事業別の動向
- 単体ベースの運輸収入は6.2%増の8,926億円。
- 北陸新幹線の敦賀延伸や個人消費の回復も追い風となりました[10][14]。
2026年3月期の見通し
- 売上高は6.6%増の1兆8,200億円、純利益は0.9%増の1,150億円を予想。
- 大阪・関西万博の効果で運輸収入がさらに200億円増加する見込みです[2][14]。
- 営業利益は前年比5.5%増の1,900億円を計画し、アナリスト予想を上回る強気の見通しです[14]。
配当・株主還元策
- 前期の年間配当は74円から84.5円に増配。
- 今期も1.5円増配の86円を予定。
- さらに、発行済株式の約4.2%にあたる2,000万株・500億円を上限とした自社株買いも発表しています(取得期間は5月7日~9月19日)[11][12][14]。
株価の動向
2025年の株価推移
- 2025年の年初来安値は2,659.5円(1月14日)、年初来高値は3,139.0円(4月23日)[4][5][16]。
- 決算発表直後(5月2日)の終値は3,087.0円で、年初から約11.9%の上昇となっています[4][5][6]。
- PER(株価収益率)は12.85倍、PBR(株価純資産倍率)は1.25倍、配当利回りは2.78%と、バリュー面でも一定の割安感が見られます[5][8]。
直近の株価推移(2025年4月~5月初旬)
日付 | 終値(円) |
---|---|
4月23日 | 3,128 |
4月30日 | 3,021 |
5月1日 | 3,066 |
5月2日 | 3,087 |
株価材料と今後の見通し
- インバウンド需要や万博効果、駅ビル開業などの成長材料が株価を下支えしています。
- 配当増額や自社株買い発表も投資家心理を支える要因となっています。
- ただし、直近1-3月期の経常利益は前年同期比77.7%減と減速感も見られ、今後の消費動向やインバウンドの持続性が注目されます[11][12]。
まとめ
JR西日本は2025年3月期に過去最高益を達成し、2026年3月期も増収増益・増配を見込むなど、好調な業績が続いています。株価も年初来で2割近く上昇し、今後もインバウンドや万博効果、株主還元策が注目材料となりそうです。一方で、直近四半期の利益減少には注意が必要で、今後の経済動向も見極めたい局面です。
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