2025年4月28日、オリエンタルランド(OLC)が2025年3月期決算とともに、創立65周年を記念した特別株主優待の実施を発表しました。この記事では、その内容と今後の株価・業績見通しを解説します。
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特別優待の内容
-**創立65周年記念特別株主優待**
2025年9月末時点で100株以上を保有する株主に対し、現行の株主優待に加え、東京ディズニーランドまたはディズニーシーで利用できる「株主用1デーパスポート」を1枚進呈(有効期限は2026年8月末まで)
– **通常優待との違い**
通常は500株以上(3月末基準)または100株以上を3年以上保有(9月末基準)しないともらえないパスポートが、今回は100株保有で受け取れるため、優待のハードルが大きく下がります。
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### 2025年3月期決算のポイント
– **売上高**:6,793億円(前期比+9.8%)
– **営業利益**:1,721億円(同+4.0%)
– **経常利益**:1,733億円(同+4.4%)
– **純利益**:1,241億円(同+3.3%)
いずれも過去最高を更新[3][9][12][13]。
– **好調要因**
・ディズニーシー新エリア「ファンタジースプリングス」開業効果
・有料優先入場券や高価格帯チケットの販売増加。
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### 2026年3月期の業績見通し
– **売上高**:6,933億円(前期比+2.1%)
– **営業利益**:1,600億円(同-7.0%)
– **経常利益**:1,608億円(同-7.2%)
– **純利益**:1,133億円(同-8.7%)
売上は増加予想ですが、コスト増(人件費・原価・メンテナンス費など)や大型投資の影響で減益を見込んでいます。
– **今期の特徴**
・ファンタジースプリングスの通年稼働や訪日外国人増加による入園者数増(前年比+1.6%の2,800万人見込み)
・ゲスト1人当たり売上高は過去最高水準を維持
・ホテル事業も好調継続
・一方で、コスト増やイクスピアリ改修などで利益は圧迫される見通し。
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### 株価・今後の見通し
– **決算・優待発表直後の株価反応**
夜間取引(PTS)で一時3%以上上昇する場面も。
– **アナリスト予想**
2025年4月28日時点のアナリスト平均目標株価は4,282円(現株価比+36%超)。「買い」判断が多数を占めています。
– **株価の材料とリスク**
・新テーマポートやホテル事業の好調、インバウンド需要増が追い風
・一方で、コスト増や大型投資(ディズニークルーズなど)の負担、株主還元強化への期待、割高感への警戒も根強い。
– **今後の展望**
・2026年3月期は「成長戦略のための基盤固め」と位置付けられ、減益予想ながらも中長期的な成長投資を継続
・新規事業や大型投資の成果が今後の株価・業績を左右する
・優待拡充で個人投資家の注目度アップも期待。
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### まとめ
オリエンタルランドは、過去最高益を達成しつつも、来期はコスト増の影響から減益を見込む「踊り場」的な局面にあります。一方、65周年記念の特別優待は個人投資家にとって大きな魅力。新エリアやホテル事業の好調、インバウンド需要の増加が今後の成長を支える一方で、大型投資やコスト増が短期的な利益を圧迫する可能性も。株価は短期的な材料で上下しやすいものの、中長期では新規事業の成否がカギとなりそうです。
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