はじめに
2025年6月現在、近鉄グループホールディングスと近鉄百貨店の株価は下落傾向にあります。本記事では、両社の株価推移と下落の主な要因について、最新の情報をもとに解説します。
近鉄グループホールディングスの株価動向
- 2025年3月に年初来高値を記録した後、株価は下落基調となり、6月には2,700円台を割り込む場面も見られました。
日付 | 終値(円) |
---|---|
2025/6/16 | 2,677 |
2025/6/10 | 2,721.5 |
2025/6/2 | 2,793 |
2025/5/27 | 2,875.5 |
近鉄百貨店の株価動向
- 3月の高値以降、株価は下落傾向が続き、6月には1,700円台半ばまで下落しています。
日付 | 終値(円) |
---|---|
2025/6/13 | 1,770 |
2025/6/10 | 1,760 |
2025/6/2 | 1,790 |
2025/5/27 | 1,867 |
株価下落の主な要因
1. 円高によるインバウンド需要減少懸念
円高が進行することで、訪日外国人観光客(インバウンド)の消費意欲が減退し、ホテル・レジャー、鉄道、百貨店など近鉄グループの主要事業に逆風となっています。特に近鉄グループは関西の観光地を結ぶ鉄道やホテル、百貨店でインバウンド需要の影響を受けやすい構造です。
2. 業績の伸び悩み・減益決算
近鉄グループは2025年3月期の連結経常利益が前年同期比で減少、2026年3月期も減益見通しを発表しており、業績の伸び悩みが株価下落の一因となっています。不動産や国際物流部門でのコスト増や利益率低下も影響しています。
3. 個人消費の停滞・物価上昇リスク
金利や物価の上昇、海外経済の不透明感が個人消費の停滞を招き、流通・百貨店事業の先行き懸念が強まっています。
4. 人件費・コスト増加
人手不足や賃上げによる人件費増加、設備投資の増加も利益圧迫要因となっています。
近鉄百貨店の業績と今後の見通し
2025年2月期は増収増益で着地し、免税売上や高額商品の外商売上が好調でしたが、今後は経常利益の減益予想が出ており、株価の重しとなっています。中期経営計画では、店舗改装やフランチャイズ事業の拡大などで収益力強化を目指していますが、外部環境の影響を受けやすい状況です。
まとめ
近鉄グループと近鉄百貨店の株価は、円高によるインバウンド需要減少懸念や業績の伸び悩み、コスト増加など複数の要因で下落傾向にあります。今後は大阪・関西万博などのイベントやインバウンド回復が期待される一方、外部環境の変化に引き続き注意が必要です。
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