2025年10月、モーターメーカー最大手のニデック(旧:日本電産)の株価が急落し、市場の注目を浴びています。なぜこれほど急落したのか、その背景と今後の動向について解説します。
主な要因まとめ表
| 主な要因 | 詳細内容 |
|---|---|
| 不適切会計疑惑 | 監査法人「意見不表明」、第三者委員会調査中 |
| 特別注意銘柄指定 | 東京証券取引所が指定、管理体制への懸念 |
| 株価指数から除外 | 日経平均など各種指数から除外、ファンドによる売り圧力 |
| 株主還元の停止 | 業績予想未定、中間配当無配、自社株買い中止 |
| 上場維持リスク | 信頼性低下・不祥事連鎖による上場廃止懸念 |
急落のきっかけは「不適切会計処理」
事の発端は、グループ会社で発覚した不適切な会計処理の疑いです。中国の子会社で約2億円の会計処理が問題視され、本体でも資産評価損の計上時期について意図的な操作が疑われる資料が発見されました。これらを受けて第三者委員会が設置され、正式な調査が始まっています。さらに、監査法人が2025年3月期の有価証券報告書に「意見不表明」という異例の対応をしたことで、会計に対する信頼が大きく揺らぎました。
特別注意銘柄指定と株価指数除外
東京証券取引所はニデックを「特別注意銘柄」に指定しました。加えて、日本経済新聞社が日経平均株価の構成銘柄からニデックを除外することを発表。これにより、指数連動型ファンド等による売り圧力が一気に高まり、株は一時ストップ安となりました。
業績予想取り下げ、株主還元も後退
今回の事態を受け、ニデックは今期(2026年3月期)の業績予想を「未定」としました。加えて、中間配当を無配とし、自社株買いも中止に。株主還元への期待が後退し、先行き不透明感が増しています。
今後のポイント
現状は「ガバナンス体制の強化」「第三者委員会の調査結果」「業績回復」が揃うまでは、厳しい株価展開が続く可能性が高いです。一方、ニデックは長期的な成長テーマ(EV、データセンター向け等)を持つ企業でもあり、中長期的には再評価も十分ありえます。今後のガバナンス改革や信頼回復への道筋に注目です。



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